乙女の休日

外で食事をするのも何だからと言って彼と初めて部屋で過ごす約束をした。

冷えた空気を遮るようにマスクを付けたら急いでいるように見られないように、ひとつひとつ、ゆっくりと階段を下りる。

冬の冷たい雨は夜のうちに通り過ぎて、木の葉の浮いた水たまりに青空が反射していた。

みんなが忙しく通り過ぎるその街角で青いシャツを着た彼が微笑んでいた。私は彼の隣まで駆け寄った。

外へ出ても、部屋の中でも、私は、心にターコイズ・ブルーの煌めきを持った乙女でありたい。

帽子・バック・アクセサリー。絵画・沢山の美しい器。

静岡伊勢丹8階・プロモーションスペース で、12月9日(水)から14日(月)まで、一品更屋企画の展示会「乙女の休日ー恋はターコイズ・ブルーの煌めきー」が開催されます。

参加作家

小野穰 陶器
安藤夕紀子 陶器
tefhat 帽子
kico アクセサリー
Atelier Seisen バッグ・小物
Kogsw 絵画

順不同・敬称略


展示概要

 タイトル :乙女の休日ー恋はターコイズ・ブルーの煌めきー
 日時 :2020年12月9日(水)-14日(月)
 場所 :静岡伊勢丹 8階 プロモーションスペース
    静岡県静岡市葵区呉服町1-7
 企画 :一品更屋


ステートメント : NDTのステートメント 日本橋三越 展示に向けて

パネルイメージ.jpg

Statement

抹茶が日本に伝来した頃の茶掛の書といえば、もっぱら中国から伝来した掛け軸だった。

その後、茶禅一味の思想が広まると禅語が主流となり、さらに和歌や花鳥画、手紙までが飾られるようになる。明治期になると仏画が床を飾るようになった。

こうして見て来ると、茶の湯の掛け軸は、いずれもその時代時代における美、しかもただの美ではなく社会思想を写した美であることがわかる。必ずしも古いものばかりを有難がっていたわけではない。古人にしても、どちらかと言うと、積極的に新しい趣向を取り入れていたのだ。

現代における社会思想を写した美とは何であろうか。現代美術がそうだということになるのかもしれないが、現代美術はアートという構造の中で存在の意義があるもので、茶の湯の構造の中に組み入れると、アートと茶の湯、双方の圧力がかかり、結局アートとしては成り立たなくなってしまうことが多い。

その点、グラフィティは違和感なく、茶の湯に組み入れることができる。グラフィティは元々が社会的なメッセージを内包しており、それを読み解くことに面白さがあるが、ストリートから始まった文化のため、現代美術ほどの強固な閉鎖性がない。グラフィティは専門性がなくても表現を行うという覚悟であり、それは侘数寄の思想に近い。茶の湯が「一服一銭」のようにストリート文化として広がった時代があることを考えれば、親和性が高いことも頷ける。

特に日本のグラフィティは欧米のアート文脈とは違い、日本独自の装飾絵画の文脈の影響を受けているように見える。桃山から江戸時代、それまで貴族や武家など、特権階級が有するものだった装飾芸術を、商人を中心とした一般市民のものとして広げたのは琳派であった。そして琳派の美は一般市民の茶の湯の美の基準にもなっていった。日本には、琳派の持つ装飾性やパターンの繰り返しといった特徴を持つライターが多いように見受けられる。言って見れば、日本のグラフィティライターは琳派の後継者と言えるのではなかろうか。

今、社会思想を写した美として面白いのはグラフィティである。ストリートは床の間であり、グラフィティは軸である。そして街は茶室である。

茶の湯者は街へ出よ。ストリートを目指せ。今抹茶を点て、一服するのならば、ストリートで野点をするのが一番面白い。茶の湯とはその時代時代の空気を取り込むものであり、時代そのものなのだから。

2017.08.03 一品更屋

論考:爆発する茶の湯 – 茶の湯は今日の芸術たるか −

芸術は爆発だ!

 

「芸術は爆発だ!」と言ったのは日本の近代芸術の有名人、岡本太郎。「芸術が爆発か?」は私は分からないけれども、岡本太郎は、芸術と芸事は相反するものと考えていた。 “論考:爆発する茶の湯 – 茶の湯は今日の芸術たるか −” の続きを読む

カンバラクニエ展

2015年 7月8日(水)- 7月14日(火) 伊勢丹新宿本店 本館5F ウエストパーク

Tokyo Nu Artに、
カンバラクニエが登場

日本独自のアートシーンを考える展示企画 Tokyo Nu ART に、ファッショナブルな女性のイラストで人気のイラストレーター、 カンバラクニエさんが登場。現代浮世絵作品と、ジークレープリント作品、原画を中心に作品を展示いたします。 “カンバラクニエ展” の続きを読む

塩川いづみ展 Summer Rumours 

2015年 6月24日(水)- 7月7日(火) 伊勢丹新宿本店 本館5F ウエストパーク

人気イラストレーター、
塩川いづみさんの個展

広告や雑誌の挿絵、商品デザインなど、さまざまなジャンルで活躍中の人気イラストレーター、塩川いづみさんの個展が、伊勢丹新宿店で開催されます。
今回の展示では、塩川さんがモチーフとして好んで描く「女性の顔」のイラストを中心に、ポーチやバッグなどのイラストが入ったプロダクトの販売、彼女がイラストを手掛けた浴衣とその原画を展示いたします。

日本の夏祭り

2015年 6月24日(水)- 7月14日(火) 伊勢丹新宿本店 本館5F ウエストパーク

他では見られない、郷愁の夏祭り
工芸品、アート作品が大集合

日本の美の潮流を探る「日本美流」。7月の特集は、日本の夏を彩る「夏祭り」。

日本全国で行われる、夏祭りに関わる物、夏祭りを題材にした物を「躍動」「光る夜」「幽玄」の三つの視点で集め、展示・販売を行います。 “日本の夏祭り” の続きを読む

Adorable THE TEXTILE AND GENE By D[diː]

2015年4月15日(水)~21日(火) 伊勢丹新宿本店 本館5F ウエストパーク

ファッションとアートの接点

伊勢丹新宿店の新設スペース、EVENT&GALLERY。今回、このスペースでは、日本の現代のクリエーションの特徴であるクロス・カルチャーな表現を行うアーティストの作品展示を行う 「TOKYO NU ART」 展を開催します。アーティスト自身に影響を与えた物や事象、作品の制作で利用している道具などを作品と一緒に展示することにより、現代の東京におけるアートの意味を探ります。 “Adorable THE TEXTILE AND GENE By D[diː]” の続きを読む

その湖 寺本愛展

2015年4月8日(水)~14日(火) 伊勢丹新宿本店 本館5F ウエストパーク

ファッション、マンガ、アート TOKYO NU ART

伊勢丹新宿店の新設スペース、EVENT&GALLERY。今回、このスペースでは、日本の現代のクリエーションの特徴であるクロス・カルチャーな表現を行うアーティストの作品展示「TOKYO NU ART」を開催します。アーティスト自身に影響を与えた物や事象、作品の制作で利用している道具などを作品と一緒に展示することにより、現代の東京におけるアートの意味を探ります。

vol.001は、地域性や時代性を排除された服飾を纏った人物ポートレートを、ファッション・フォトグラフィーの体裁で漫画的に表現する、寺本愛の展示です。CDジャケットやMV、デザインマガジン、ファッションマガジンなど、多方面で活躍する寺本の新作原画作品を中心に、寺本がインスピレーションを受けたさまざまな「品々」や、実際に制作に使われている道具類も展示いたします。

寺本作品が生まれ来る背景と、完成形である作品を同時にご覧いただき、現代アートの「楽しさ」を体感ください。

作品集を発表

本展示会の開催直前に完成した、寺本愛、最新の作品集、「PERMANENT CULTURES」を、会場で販売します。

ILLUMINATED GIRL 

2015年4月1日(水)~7日(火) 伊勢丹新宿本店 本館5F ウエストパーク

染色×アート

伊勢丹新宿店の新設スペース、EVENT&GALLERY。このスペースでは、テキスタイルとアート、どちらの文脈からも捉えることができ、かつ質の高い作品を制作している作家に焦点を当て、影響を与えた物や事象、作品の制作で利用している道具などをご紹介し、アートと、素材・伝統としてのテキスタイルの関係性と、その可能性を探る展示会を行います。

第2回は、伝統的な染色方法を用い、現代の象徴とも言える「アイドル」を描く、大竹夏紀。テレビCMへの作品の採用や、アパレル・セレクト・ショップの運営するギャラリーでの展示など、煌びやかな絵柄が注目される彼女ですが、用いる技法は、絹に対してろうけつ染めを行うという、とても伝統的な手法です。

今回は大竹の真骨頂とも言える、絹にろうけつ染めで染色し、更に絵柄部分のみを切り抜いた3メートルを超える作品をメインに展示。また、コレクションに最適な小サイズの染色絵画作品や、Tシャツやポストカードのプロダクトも展示予定です。

現代を象徴するモチーフと伝統技術が融合した、日本のニューアートを、是非ご覧下さい。

ろうけつ染め

模様部分を蝋で防染し、染色する伝統的な染色法。中国では新疆ウイグル自治区ホータン地区・ニヤ県の精絶国遺跡の東漢墓から蝋染の綿布が発見されていることから2~3世紀ごろから、ろうけつ染めの技法があったと見られる。

日本では正倉院宝物に見られるなど、天平時代から見られる伝統的染色技法であり、着物などの反物の染色によく見られる。京都の京友禅でも「蝋纈友禅」がある。

\ Hello! / -The works of Ai ITO-

2015年3月25日(水)~31日(火) 伊勢丹新宿本店 本館5F ウエストパーク

テキスタイル × アート

伊勢丹新宿店の新設スペース、EVENT&GALLERY。今回、このスペースでは、テキスタイルとアート、どちらの文脈からも捉えることができ、かつ質の高い作品を制作している作家に焦点を当て、影響を与えた物や事象、作品の制作で利用している道具などをご紹介し、アートと、素材・伝統としてのテキスタイルの関係性と、その可能性を探る展示会を行います。

第一回は、京都を中心に活動をし、綴れ織の技法を使い、ペイント的なアプローチを行う伊藤藍の展示です。伊藤の作品は、コラージュペイントを綴れ織という伝統の織り技法で表現します。織りの目ひとつひとつがデジタル描画のピクセルや、テレビのノイズを思わせ、伝統と現代が不思議な調和を見せます。

今回は伊藤の代表的な作品である、3mを超えるタペストリーを展示する他、プロダクトの販売も行う予定です。また、作品の発想の元になった「旅の写真」もご紹介します。来年、再来年と、ヨーロッパ、アメリカでの展示も決まり、注目されている伊藤藍の作品をご覧下さい。

Hello!

こんにちは。はじめまして。
私は主に「旅」をテーマにしたテキスタイル作品を制作しています。
列車、船、そして飛行機は私たちを日常とは違う場所へいざなってくれます。
その地に建つ建築物や生活する人々の気配・・・。そんな風景を旅行者である私の目線で切り取り作品にしました。
今回、東京では初めてとなる作品展です。メインとなるタペストリー作品やインクジェットプリントに刺繍を施した作品も合わせて展示します。

ここではない何処かの雰囲気を旅人の目線で感じていただければ幸いです。

伊藤藍